医療制度改革 medical service reform 2003 11 7

 遅れている日本の医療制度を改革してほしいですね。
今の日本は、医療技術は世界最高水準ですが、
医療制度は、発展途上国並みです。
どうして、日本の医療制度が遅れてしまったのかは、専門家の意見を聞くとして、
ここでは、具体的なもので、検討してみたいと思います。
 数字データは、昔のもので、今は変っていると思います。
昔は、再診料は、59点でした。
1点10円ですので、590円です。
つまり、再診で医者にかかっても、医者の収入は、590円でした。
これで、病院経営は成り立つか。
診療所でも、看護婦や、医療事務の事務員を雇います。
この再診料では、診療所でも経営するのが、むずかしい。
 そうすると、医者は、どうするか。
いろいろな検査をして、検査料で収益を上げることを考えます。
 値段がすごく安いパソコンだと思ったら、
いろいろとオプションをつけていったら、結局、値段が高くなった。
これと、あまり変わりない医療サービスです。
 しかし、検査とは別の方法で、稼ぐ方法があります。
それは、再診患者を大量に受診させて、数で稼ぐという方法です。
一人あたりの再診料は安いが、数をこなせば、塵も積もれば山となる。
 いずれにせよ、検査で稼ぐにしても、数で稼ぐにしても、
患者不在の医療サービスです。
 これは、医者が悪いのではありません。
医療制度が悪いのです。
悪しき医療制度が、医療サービスの低下を招いているのです。

積上げ社会 building-up society 2003 9 29

 今までの日本は、積上げ(building-up)社会でした。
たとえば、そのいい例が、政府自民党です。
政策を作るのに、業界→官僚→自民党→政府という具合に、
積上げ作業で作っているので、
よく言えば、優等生的な政策、
悪く言えば、「毒にも薬にもならぬ」政策となります。
 政策を作る手順は、
業界→官僚→自民党→政府と、
政府→自民党→官僚→業界という循環のなかで、
積上げ作業をしますので、
完成した政策は、「大山鳴動して鼠一匹」となります。
手間のかかる「積上げ作業」で、政策を作っているから、こうなるのです。
 このようなプロセスで完成した政策は、中味も積上げ方式となっています。
たとえば、今は変更されたかもしれませんが、
数年前に問題となった、特別養護老人ホームの建設補助金が積上げ方式となっていました。
 これは、一定の用件を満たせば、国の補助金がつきますが、
この補助金が、積上げ方式でした。
本体工事費の補助基準額。
冷暖房工事費の補助基準額。
エレベーター工事費の補助基準額。
設備整備(備品)の補助基準額。
このように、たくさんある補助基準額を積上げていって、
補助基準額の総額を算出して、
その総額に対して、補助率をかけて、補助額を算出していました。
 こんな手間のかかることをするよりは、
定員50名の特別養護老人ホームには、補助金いくら、
定員100名の特別養護老人ホームには、補助金いくら、
こういう具合に決めれば、手間もかからず、迅速に事務処理ができます。
 このように手間のかかる方法を、わざわざ取るのは、
人員削減を防ぐための方法でしょうか。
しかし、経費削減にはなりません。
さすがに、今は、行政改革の時代ですから、改善されたと思うのですが。
 次に、診療報酬のシステムについて。
これも、積上げ方式です。
たとえば、病気になって、医者にかかると、
初診料○○点、検査料○○点、○○料○○点、・・・・・・。
このように積上げ方式になっています。
 この方式では、初診料や再診料が、かなり安く抑えられていますので、
これでは、医者は、病院を経営できませんので、
なるべく検査を増やそうと努力します。
 昔は、再診料が59点だったと思います。
1点10円ですから、590円。
これでは、とても病院の経営は成り立ちませんから、
いろいろと考えて、検査をするのです。
 しかも、このような細かい点数を積上げて、診療報酬の総額を計算して、
医療費を算出しますので、とても医者には計算ができません。
そこで、診療報酬の計算をする事務員を雇うことになるのです。
これが「医療事務」と呼ばれているものです。
よく診療所の窓口に座っている事務員のことです。
 しかし、そもそも、このような積上げ方式ではなくて、
まるめ方式の方が、手間がかかりません。
たとえば、糖尿病ならば、総額で何点と決めてしまう方式です。
この点数のなかに、検査料や処置料を含めてしまう方式です。
こうして「病気別の点数」を作っていけば、いいのです。
 こうすれば、医者一人の小さな診療所で、
医療事務をする事務員を雇う必要がなくなります。

日本は、デフレが進みましたが、依然として、高コスト社会なのです。

















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